どうぶつの森の思い出①「激しいバッシング」
最近、スイッチで新作が発売された、任天堂の人気シリーズ「どうぶつの森」
この中でも、ゲームに欠かせない「住民」要素。
個性豊かな動物たちに一喜一憂することがこのゲームの肝なのだが、他聞に漏れず、自分も動物たちにヒエラルキーを付けてきた。
ということで、子供の頃三兄弟でやりこんだゲームキューブ版の「どうぶつの森+」にて、
こいつはカス。
こいつは親友。
といった具合に定められたヒエラルキーの中でもボトム オブ ボトムを記録した伝説の住民をエピソードとともに紹介しようと思う。
【名前:グレオ】
ゲームキューブ版では、プレイヤーは4名まで登録可能であり、一戸建てが4軒集まっている区画に住んでいた。
会村当時、自分も含めた三兄弟の住む区画のすぐ隣に「ポーク」というシンプルな豚が住んでいた。
お隣さん、そして、初期メンバーということで手厚く飼育されてきたポーク。ある日、弟がポーク宛の手紙を書いたが、その日は郵便局が閉まっており、翌日改めて訪ねることになった。
しかし、翌日、ポークは突然出荷された。(引っ越し)
「ポークさんへ」というタイトルの手紙は、宛先不在のまま、捨てることもできず、永遠にレターボックスに格納された。兄弟たちは大いに彼との別れを惜しんだ。
数日後、ポーク宅の跡地に越してきたのが、
グレオ
であった。
その衝撃たるや、筆舌に尽くし難かった。
健全なポークが、あたかも「グレて帰って来たぜ」と言わんばかりの、ガラの悪い豚。豚が去って豚が来たあたりも対比を一層濃くさせた。
当然、手厚く保護してきたポークに反比例するごとく、グレオに対するバッシングは加速していった。
「おい。お前、ポークのなんなのさ」
その日から、幼き三兄弟によるグレオ叩きが始まった。
①罵詈雑言の手紙
「ポークを返せ」「タヒね」「引っ越せ」といった暴言を三人揃って隣に住む豚に送りつける毎日。しかし、グレオ本人は「これ、◯◯から貰った手紙なんだけどよ…」と言って、他の兄弟が送りつけた悪口をこれ見よがしに見せつけてくるのである。
「兄さん、こんな手紙じゃグレオはまだ耐える。だめだ。」
ぺリオは毎日毎日、大量のグレオ様宛の手紙を運び続けた。
②ゴミ
ゲームキューブ版ではゴミの集積場があった。しかし、魚の代わりに時折釣れる「空きカン」「長靴」なんかを、グレオの家の周囲に放置しておくのである。みるみる間に、グレオの家はゴミに囲まれた。意図せず、自宅のすぐとなりはゴミ屋敷となった。
ゴミ屋敷から出てくるガラの悪い豚…。
ゴミ屋敷の入口で立ち寝する豚…。
③落とし穴と網
グリグリ押して、怒らせ、落とし穴に落とし、網で叩く。結局ここに行き着く。
ゴミ屋敷周辺で繰り広げられる、ガラの悪い豚のシバき。そしてぺリオ達は、今日も罵詈雑言を運ぶ…。
もはや、どうぶつの森なのか?子供とは恐ろしいものだ。自分だが。
風向きが変わったのは、兄弟達が村の緑化に目覚めたときだった。当時は村の神社で「◯丁目の◯番地は緑が少ない」みたいなご教示を受けることができた。
ある日、神社から「◯丁目の◯番地がクソ汚いです」というお告げを受け、「は?そんなとこあったか?」と現地へ急行すると、そこには大量のゴミが放置された豚小屋が。
きたねーwwww!!
しょうがない…片付けよう…。木を植えよう。
そしてしばらくして、憑き物がとれたようにこんな風潮が始まった。
「別に、グレオ何もしてなくね?」
そう、グレオは何もしていないのである。ポークのあとに引っ越してきただけの、ただの豚である。
波瀾万丈を経て、やがてグレオも引っ越しの準備を始めた。
段ボールに囲まれて「おう、俺もそろそろ新しいとこに行ってみようと思ってよ…」みたいなセリフを吐くグレオ。
行かないで!
→バイバイ!
もちろん、引き留める村人はいなかった。