自転車で100キロ走った話⑩
掛川山中でパンクからの、市街地まで歩いて自転車屋を探し、やっとこさ見つけたころには大幅ロス。
予備のチューブを購入し、いざ再出発!
本当は掛川城とか見ていくつもりだったが断念。西へ向かう大きな道路沿いをひたすら進む。
準備は身軽に、しかし不慮の事態に備えておく必要性を再認識しながら、再び調子を上げていく。
北に山を、南にも山を、西には地平線を。
次第に空も赤みがかって来る。国道はそろそろ仕事を終えて帰路に着き始めた車が増えて来る頃か。
掛川から磐田までは、次第に暮れ始める陽を眺めながらゴールへの想いを馳せる。幼いころ、親に連れられてきた初詣の山も、サックスブルーのサッカーチームのホームタウンも、チラ見しながら行く我が道。
知らない土地の夕方は、何故か過去を思い出させる。しかし、足を止めることはない。風景よりも、過去から今へ、ペダルを漕ぐ気分。
ふと、突然現れる天竜川。
ここを渡れば、いよいよ最終の、浜松市。
長かった…のか?方向感覚だけで、知らない土地をよく来たもんだ。
あとは、天竜川から浜名湖弁天島まで。
弟と合流を予定しているホテルには午後7時までに行けば良い。途中でロスったけど、何とか間に合いそうだ。