自転車で100キロ走った話⑨
道の駅でとろろそばを摂取し、西へ向かい再びペダルを漕ぎ出した矢先、前輪の空気圧が低く、フラりとする。
へいへいと携帯空気入れでポシュポシュし、再び進み出すと、またすぐにタイヤがしぼむ…。
その瞬間、一気に血の気が引いたのを覚えている。
え?下ってきたとは言え、まだまだ市街地には程遠い山あいの道の駅で、パンク?
何度も確認するも、その度に淡い期待が悪い確信に変わっていくだけであった。
そういや、昼飯の前の下りで岩を気にせず踏んでいったな…。
あー…、ここから歩いて市街地まで出て、パンク直して行くのか。予備のチューブを持たなかった自分が悪いけど…へこむし、時間間に合うのか?
ひたすら山あいの道を下り方面に歩き、掛川駅の方を目指す。掛川のどこに自転車屋があるか知らんし…見つかるの?
すいぶん長いこと歩き、JRの高架近くにコジャレたサイクルショップを発見。祈る思いで入店すると、痩せた60歳ぐらいの男性が。
「パンク?急ぎ?なら、すぐやっちゃうよ」
なんてありがたい!なんて頼もしい!
ついでに予備のチューブ買ったろ。
しかし、これで一時間程度のロス。間に合うの…?